【実体験】せどり副業で開業届は必要?会社にバレる?遅れたら?




悩むひと

開業届って何?
私には必要なの?
開業届をだすと会社に副業ってバレる?
インボイスとか関係ある?
失業保険や扶養はどうなるの?




こんなお悩みにお答えします。



本記事の信頼性



本記事を書いている私(スズママ)は育休時から副業(フリマアプリでの中古服せどり)を始めました。3年目の現在は毎日2~3時間の取り組みで月の手取り、最高31万円を達成。総取引数は3,000件を超えました。




今回は、私(スズママ)がせどりの開業届を出すにあたって感じた、判断基準や注意点、開業届に関連する心配事を分かりやすく解説していきます。



具体的には以下のような項目です。

  1. 開業届とは何か?
  2. 開業届のメリット、デメリット?
  3. 開業届提出の決め手
  4. その他、開業届関連で心配なこと



この記事を読めば、「開業届が自分にとって必要かどうか、判断基準や開業届に関連する心配事が解消される」そんな記事です。



副業を始めたての「開業届という言葉を見聞きしたけど具体的に何?」という方に対応できる内容になっています。



★開業届の書き方実践編は下記の記事で解説しています。



本記事を読みつつ、実際の行動につなげてみてください。


それでは、1つずつ詳しく解説していきますね!

suzumama


① 開業届とは?

▼開業届とは


悩むひと

そもそも開業届って何?
お小遣い程度の副業には関係ないのでは?



という方も多いのではないでしょうか。


私も副業を始めたころ、開業なんて大それた言葉、全くピンときていませんでした。

suzumama


開業届とは、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類のことです。



「個人が事業を」というものの、副業が事業になる線引きは一体どこからなのでしょうか。


▼副業はどこからが事業なの?



国税庁のHPには事業について以下のように説明されています。

「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。例えば、商店が販売用の商品を売った場合や、運送業者が運送サービスを提供して対価を受け取るような場合が典型的なものです。

引用元:「国税庁HP/事業者が事業として行うものとは」



つまり、「事業」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続かつ、独立して行うことをいい、その規模は問われないのです。


気づいたひと

一時的ではなく継続的に行われているかどうかが大事なんですね。



ちなみに


開業届を出せる事業は

□不動産所得(不動産の貸付などによる所得)
□山林所得(不動産の貸付などによる所得)
□事業所得(それ以外の事業による所得)


このいずれかの所得が発生する必要があります。
※継続的に行われない事業は雑所得に分類されるので開業届は必要ありません。



▼開業届は必須??


結論から言うと、開業届の提出は義務ではありますが、出さなかったからと言って罰金や注意喚起などのペナルティが課されることはありません。


開業届を出さないままフリーランスとして働いている人も沢山いるよ。

suzumama


悩むひと

それなら開業届を出す必要はないのでは?
何のために開業届があるの??


➁ 開業届を出す理由-メリット/デメリット-



出さなくてもペナルティのない開業届。



ではなぜ開業届を出す人がいるのでしょうか?



それは開業届を出すことで以下2つのメリットがあるからです。


▼開業届を出すメリット:①青色申告ができる



開業届を提出することで確定申告で青色申告を選べるようになります。


青色申告を行うと税金の支払いを減らすことが出来る3つのメリットがあります。

青色申告3つのメリット

1 )最大で65万円の「青色申告特別控除」を受けることができる

2 )個人事業主なら最長3年、赤字を繰り越して副業の赤字分を本業の給与所得から差し引くことが可できる

3 ) 家族に支払った給与を必要経費として計上できる



青色申告利用のメリットについてはこちらの記事 <節税のために青色申告を選ぶメリット3点> で詳しく解説しています。


▼開業届を出すメリット:②屋号名義の銀行口座ができる



銀行の口座名義に屋号(事業用の名称 ex.店名など)が入ります。



屋号が入っても、口座の機能に変わりはありません。



銀行の口座名義を店名にすると、お客様や取引先との振込みや送金手続き時に個人名ではなく、店名が表示されます。


気づいたひと

銀行でのやり取りがある場合は個人名よりも店名等でのやり取りの方がお客様や取引先の方も安心してもらえますね。


日常生活用と副業用で同じ銀行口座を持てると、なにかと利便性が良いです。
ちなみに開業届を出すと法人用のクレジットカードも作ることも可能ですよ。

suzumama



では逆に開業届を出すことで起こるデメリットは何でしょう。


▼デメリット:帳簿付けが必要になる



開業届を出すと確定申告の有無にかかわらず、日々の売上や経費などを帳簿に記録し、保存する必要が出てきます。


面倒な帳簿付けには帳簿ソフトがお勧め。
カード利用額を自動で取り込んでくれたり、仕分けしてくれたりと便利です。
私は現在「やよいの青色申告クラウド」を利用していますが、白色申告であれば無料で使えるので単純に帳簿だけつけたい方にもおすすめです。

suzumama



▼開業届提出の判断基準まとめ



以上のことから、私が考える開業届提出の判断基準は

開業届提出の判断基準

    「帳簿付けの面倒さ」<「青色申告をすることで得する金額」なら、「開業届を出す」

    「帳簿付けの面倒さ」>「青色申告をすることで得する金額」なら、「開業届を出さない」



「帳簿付けの面倒さ」と「青色申告をすることで得する金額」どちらをとるか!がポイントですね。


例えば

所得金額(給与所得+副業所得)が8,000,000円の場合、白色申告と青色申告で支払う税金は次のように異なります。

1)白色申告(控除額0円)にすると
8,000,000円×0.23 - 636,000円= 1,204,000円 の税金支払いが発生

2)青色申告(控除額65万円)にすると
(8,000,000円-650,000円)×0.23 - 636,000円= 1,054,500円 の税金支払いが発生

つまり、上記の場合だと開業届を提出し青色申告(65万円控除)をすることで課税額が149,500円も得をします。

※上記の計算方法については 国税庁HP「No.2260 所得税の税率」 をご参照ください。



また、所得金額の計算方法についてはこちらの記事 <給与所得と副業所得の計算方法> でも解説しています。


③ 開業届はいつまでに提出するの?手順は?



▼開業届の提出期限


開業届をどうするか決めたら提出期限や提出の流れを確認しておきましょう

suzumama



開業届は事業の開始等の事実があった日から1カ月以内に提出してください。
※提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。



また、青色申告を希望される方は事業開始等の日から2月以内に所得税の青色申告承認申請書を提出する必要があります。



ちなみに開業届が間に合わなかったときの対応は、後述の <▼心配➆:開業届の提出が遅れた場合どうなる?> にて詳しく解説しています。


▼開業届の提出手順



開業届の書き方や準備、提出方法、申請までのスケジュールは下記、記事にて詳しく解説しています。


せどりで開業届 決め手 書き方 申請方法
【副業】せどりで開業届【実体験】提出の決め手・作成・提出方法

続きを見る




④ 開業届の心配ごと 7点



ここでは私が実際に感じた開業届提出にまつわる心配事7点をご紹介していきます。


▼心配①:開業届を出すと副業していることが会社にバレたりする?

答え

開業届を出しても副業していることが会社にバレることはありません。


理由は開業届を提出することで税務署から勤務先に通知がいくことはないからです。


副業が会社にバレる可能性についてはこちらの記事 <育休中の副業、会社に知られたくない!ばれない方法は?> でも解説しています。



▼心配②:開業届はインボイス制度と何か影響がある?

答え

開業届とインボイス制度に関連性はありません。



開業届を出していなくてもインボイス制度に登録は可能です。


もちろん、開業届を出したからといってインボイス制度の登録義務もありません。


▼心配③:開業届を出したら確定申告は必須?

答え

開業届を出したからと言って確定申告は必須ではありません。



副業における1年間の「売上-必要経費」が20万円以上の場合、確定申告が必要となります。



確定申告の申告基準についてはこちらの記事 <確定申告or住民税の申告?> で詳しく解説しています。


▼心配④:副業始めたてで今後続けていくか分からない場合はどうする?



せどりを副業としている私が直面したのがこの問題です。

suzumama



私の具体例は以下の通り

1月:自宅にある不用品をフリマアプリで売り始める
4月:自ら仕入れを行い出品→売上げを得るようになる
   とはいえ、あまり売上が出なかったらやめようとも思っている
青色申告に対しては今年の収入がいくらになるか予想がつかないため、どうするか考えていない



この場合、開業届はいつ出すのが正解なのでしょうか。

まず、1月~3月の自宅にある不用品を売っている段階では副業とみなされないため開業届は不要となります。

私が考えたこと:その1「年末、売上予想がたち、青色申告の方が得だと思ったら開業届をだす」

結論からいうと、これはNGです。
理由は、前項「開業届の提出期限」でもご説明した通り、青色申告は事業開始等の日から2月以内に提出する必要があるため。
開業届は期限が過ぎでもペナルティなく受け取ってもらえますが、年末判断だと青色申告の申請期日に間に合わないため、その年は白色申告になってしまいます。



私が考えたこと:その2「じゃあ、開業開始日を年末にすればよいのでは?」

開業開始日なんて正直いつでもよいのでは??本気で目指すと決めた日を開業日にしよう!という考えです。


結論からいうと、こちらもNGです。
この場合だと開業開始日以前の売り上げを確定申告に記載することができません。
つまり、脱税になってしまいます。

もし、開業開始日以前の売り上げを確定申告に記載したらどうなるのか国税庁へ問い合わせてみました。

この場合、事業内容が変わらなければ開業開始日の記載ミスとされ、青色申告自体が受理されません。
(青色申告は事業開始等の日から2月以内に提出する必要があるため、開業開始日が訂正されたことにより青色申告の届出に間に合っていないとみなされます。)
そのため、その年は白色申告となり、来年から青色申告が利用できるようになるんだそうです。



では、どうするのが正解なのか、国税庁の方に教えていただきました。

答え

開業届や青色申告の届出を出したからといって提出の手間以外デメリットはないので副業を始めたら、とりあえず両届出を出しておく。その後、継続的な業務が見込めなかったら廃業届や青色申告の取りやめの手続きをする



確かにこれなら届出の手間はあるものの、その後、副業を続けようが続けまいが、青色申告をしようとしまいが、どの方向にも進めます。



相談して良かった!!

suzumama



▼心配➄:本業+副業(開業届出済)の場合、本業を辞めた時、失業保険はうけれるの?



悩むひと

よく開業届のデメリットで開業届を提出すると本業退職時に失業保険を受けることができないと書かれているのですがそれって本当?



答え

開業届の有無は失業保険に関係ありません。



ハローワークに問い合わせたところ、下記3点を満たしていれば開業届の有無関係なく、失業保険取得の権利があるそうです。


失業保険を受けるための条件3点

    1)本業で雇用保険に入っている
    2)副業は週に2日くらいの稼働
    3)ハローワークでの求職の申し込みを行い、積極的に転職活動をしている



上記を解説すると、


1)本業で雇用保険に入っている

失業保険を受けるには会社で雇用保険に入っていることが前提条件となります。

週に20時間以上働いている方は雇用保険の加入義務があります。

雇用保険の加入者は給与明細で雇用保険分のお金が引かれているはずなので確認してみてください。



2)副業は週に2日くらいの稼働


悩むひと

週2日「くらい」ってどういうこと?なんで曖昧なの?


実は、厳密に週何日以上副業をしたら失業保険対象外という基準はないのだそうです。

suzumama



週2日というのは、1週間の中で5日は本業に充てることができ、残り2日の余暇の範囲で副業をしているとみなされます。


気づいたひと

つまり、就職する意思があるのかがチェックされているんだね。



ちなみに

副業の収入金額は失業保険に関係あるの?
副業の収入金額は失業保険を取得に関係ありません。副業収入がどれだけ多かろうと、余暇の範囲で働いているのであれば失業保険取得の権利があります。



3)ハローワークでの求職の申し込みを行い、積極的に転職活動をしている


求人への応募、セミナーや説明会への参加等、定期的に求人活動の実績をハローワークへ提出し、積極的な転職活動として認められる必要があります。


▼心配⑥:開業届を出すと扶養に入れないの?

答え

開業届を出したからといって扶養に入れないということはありません。



扶養はあくまで所得金額等の要件に当てはまるかどうかが基準となっています。


ネットで検索すると「開業届を出すと扶養に入れない」という記事をよく見かけますが、上記結論は直接国税庁に問い合わてご回答いただいた内容ですのでご安心いただければと思います。


とはいえ大事なことですので、不安が残るという方は私と同じように国税庁にお問い合わせいただくことをお勧めいたします。


▼心配➆:開業届の提出が遅れた場合どうなる?

答え

後からでも提出は可能です。特段ペナルティはありません。しかし、開業から2か月を過ぎていた場合、青色申告の届出期限には間に合わないため、その年は青色申告を行うことができません。




➄ まとめ:開業届におけるペナルティや影響は特になし。
ただし、青色申告の希望者は提出期限と帳簿のつけ方を確認しておこう。



今回は、私(スズママ)がせどりの開業届を出すにあたって感じた、判断基準や注意点、開業届に関連する心配事を解説しました。



実際に開業届の提出までの流れや記入例は下記の記事で解説しています。

せどりで開業届 決め手 書き方 申請方法
【副業】せどりで開業届【実体験】提出の決め手・作成・提出方法

続きを見る




副業を始めてみると、知らない制度が沢山出てきますよね。



副業を始めたばかりで手いっぱいな中、開業届や青色申告の事まで考えるなんて!! と頭を抱える方も多いのではないでしょうか。



実際、当時のわたしは思いあぐねているうちに期限切れとなり、一年目は白色申告、二年目から青色申告になりました。
今思うと、一年目から青色申告にするべきでしたね。

suzumama




この記事で少しでも読者様の悩みを減らし、方針を定める手助けになれたら嬉しいです。



何事も早め早めの確認が大事ですね。



今回は、これにておしまい☆

  • この記事を書いた人

suzumama

2児の母 フリマアプリで中古服販売中【経歴】日本大学►住宅営業►営業事務►中古服販売。2年目、毎日2-3時間の作業で月の最高売上53万(手取31万)+月収◆東京で夫と暮らしています◆おでかけ、食べることが好き◆東京出身34歳

-せどりの進め方, 初めての副業 : 知っ得 ! 知識 ! !, 副業の事前準備&知識